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第1話少年の一矢は、強すぎたラーマーヤナ「少年の巻(バーラ・カーンダ)」

一羽の鳥の死を悼んだ詩人の歌から、ある王子の物語がはじまる。シリーズ第1話、父のもとを離れた少年ラーマは、厳しい聖仙との旅で初めて自分の力の大きさと、そのおそろしさを知る。

19ページ全話無料・会員登録なし

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次回予告第2話 第2話 シヴァの弓

数多の王が持ち上げることすらできなかった『神の弓』。少年王子が手にした瞬間――。

この作品はここまで。次はこちらもどうぞ

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この話のもとになった神話

ラーマーヤナのあらすじ|ラーマ誕生と少年の旅(少年の巻)

ラーマーヤナとは? 一羽の鳥から生まれた物語

『ラーマーヤナ』は、古代インドで生まれた長い叙事詩で、「ラーマの旅(物語)」という意味です。作者は聖仙ヴァールミーキとされ、紀元前後の数百年をかけて今の形にまとまったと考えられています。全体は7巻に分かれ、第1巻が王子ラーマの子ども時代を描く「少年の巻(バーラ・カーンダ)」です。

物語は、詩が生まれる場面から始まります。ヴァールミーキは天界の聖仙ナーラダから、理想の人ラーマの生涯を聞きます。そのあとタマサー川のほとりで、仲のよいクラウンチャ鳥のつがいの雄が猟師に射られ、雌が悲しく鳴くのを見ました。哀れみのあまり猟師を呪った言葉が、なんと整ったリズムの詩になっていたのです。悲しみ(ショーカ)から生まれたこの詩の形は「シュローカ」と名づけられました。創造神の梵天(ブラフマー)が現れ、この形でラーマの物語を詠むよう命じます。完成した詩は、双子の弟子ラヴァとクシャが、ラーマ本人の前で歌うことになります。このためヴァールミーキは「最初の詩人」とも呼ばれます。

原典のあらすじ① 四人の王子の誕生

アヨーディヤーの都を治めるダシャラタ王には、長いあいだ子がいませんでした。王はリシュヤシュリンガ仙を祭官に迎え、子を授かるための祭祀を行います。

そのころ神々は、羅刹(らせつ)の王ラーヴァナに苦しめられていました。ラーヴァナは「神々などには殺されない」という恩恵を得ていましたが、人間を見下して願いに入れていなかったのです。そこでヴィシュヌ神が、人として生まれてラーヴァナを討つことを引き受けます。祭火の中から現れた者が王に神の乳粥を渡し、三人の妃がそれを分け合いました。こうしてカウサリヤーからラーマ、カイケーイーからバラタ、スミトラーから双子のラクシュマナとシャトルグナが生まれます。四人とも学問と武芸にすぐれ、ラクシュマナは幼いころからラーマのそばを離れませんでした。

原典のあらすじ② 聖仙との旅と、はじめての戦い

ある日、強い力をもつ聖仙ヴィシュヴァーミトラが訪れ、「祭祀を羅刹に汚されて困っている。ラーマを貸してほしい」と頼みます。16歳にも満たない息子を手放せない王は断りますが、聖仙は激しく怒り、王家の祭官ヴァシシュタ仙が「約束は守るべきだ」と説いたため、王はラーマを送り出しました。

ラーマはラクシュマナとともに旅立ち、疲れや飢えを感じなくなる呪文「バラ」と「アティバラ」を授かります。森では、土地を荒らす女の羅刹ターダカーと戦います。ラーマは相手が女であることをためらい、はじめは命を奪わずに動けなくしようとしますが、姿を消して襲ってくる相手に、音だけを頼りに矢を当てて倒しました。喜んだ聖仙は数多くの神の武器を授け、ラーマはその武器を引き戻す方法まで尋ねます。祭祀の場では、羅刹マーリーチャを海のかなたへ吹き飛ばし、スバーフを討ちました。のちに一行が訪れたゴータマ仙の庵では、夫の呪いで姿を隠していたアハリヤーが、ラーマの訪れによって元の姿に戻ります。

この神話が伝えていること

少年の巻でくり返し描かれるのは、「約束を守ること」と「正しい道(ダルマ)に従うこと」です。王は息子への愛と、聖仙との約束のあいだで揺れ、最後には約束を選びます。ラーマも父と師の言葉に素直に従いますが、ただ命令どおりに戦うのではなく、ためらい、慎重に力を使おうとします。強い力をもつ者がそれをどう使うべきか、という問いは、この物語全体につながるテーマといえます。ラーマーヤナはインドだけでなく、東南アジアの舞踊や影絵などにも広く伝わり、今も親しまれています。

漫画版で変えたところ

漫画では、冒頭のナーラダとの問答を省き、鳥の場面から物語を始めています。宮廷での兄弟の遊びや学びの様子、ラーマとラクシュマナの会話、ヴァールミーキの心の声などは漫画のオリジナルです。原典では旅の途中で聖仙が土地の古い物語をたくさん語りますが、漫画では省いています。

また、ラーマが「女を射ってよいのか」と口にする台詞、父や母たちとの別れの細かい場面、呪文や神の武器の光、羅刹たちの見た目、アハリヤーが姿を取り戻す瞬間の演出なども、漫画での脚色です。原典にはそこまで細かい描写はありません。

漫画で読むには

文字で読むと登場人物が多く感じるラーマーヤナも、漫画なら顔と名前が一致して、すっと物語に入れます。第1話では、まだ少年のラーマが、初めて自分の力の大きさとおそろしさを知るまでを描いています。Manga Portalでは、このシリーズを全話無料・会員登録なしで読めます。追放の王子とハヌマーンの長い冒険の入り口として、気軽にページをめくってみてください。

この話の登場人物

ラーマ(らーま)
ダシャラタ王の長男で物語の主人公。弓の名手だが、力の使い方に慎重な少年。
ラクシュマナ(らくしゅまな)
ラーマの異母弟。幼いころからラーマに寄り添い、旅にも弓を手にしてついて行く。
ヴィシュヴァーミトラ(う゛ぃしゅう゛ぁーみとら)
神の武器をすべて知る強大な聖仙。ラーマを連れ出し、旅の導き手となる。
ダシャラタ(だしゃらた)
アヨーディヤーの王で四王子の父。ラーマを深く愛し、送り出すことに苦しむ。
ヴァールミーキ(う゛ぁーるみーき)
ラーマーヤナの作者とされる聖仙。鳥の死を悼んだ言葉から詩の形を生み出す。
ターダカー(たーだかー)
森を荒らす女の羅刹。ラーマが初めて本格的に戦う相手となる。

よくある質問

ラーマーヤナとはどんな話?

古代インドの叙事詩で、王子ラーマが妻シーターをさらった羅刹王ラーヴァナと戦う物語です。全7巻からなり、第1巻ではラーマの誕生と少年時代の旅が描かれます。

ラーマーヤナの作者は誰?

聖仙ヴァールミーキとされています。鳥の死を悲しんで口にした言葉が詩の形になり、それを使ってラーマの物語を詠んだと伝えられています。

ラーマはなぜ生まれたの?

神々を苦しめる羅刹王ラーヴァナは、神々には殺されない恩恵を持っていましたが、人間は見下して願いに入れていませんでした。そこでヴィシュヌ神が人の身に生まれることを引き受け、ダシャラタ王の王子として誕生したとされます。

ターダカーとは誰?

森を荒らしていた女の羅刹で、ラーマが少年時代に倒した相手です。ラーマは女であることをためらいましたが、聖仙に促され、最後は音を頼りに矢を当てて倒しました。

ラーマーヤナの「少年の巻」とは?

第1巻「バーラ・カーンダ」のことです。詩の誕生、四王子の誕生、ヴィシュヴァーミトラ仙との旅などが語られます。

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