日本語言語を選ぶ

第1話「あと一晩だけ」が、仲間を奪ったキコネス族とロートスの国

シリーズ第1話。トロイア戦争に勝って帰路についたオデュッセウスは、「あと一晩だけ」と宴をやめない部下を止めきれずに仲間を失う。さらに、食べると家に帰りたくなくなる甘い実の国で、泣いて嫌がる仲間を力ずくで船へ連れ戻すかどうかの選択を迫られる。

19ページ全話無料・会員登録なし

ほかの言語で読む:English简体中文繁體中文한국어EspañolFrançais

1 / 19
2 / 19
3 / 19
4 / 19
5 / 19
6 / 19
7 / 19
8 / 19
9 / 19
10 / 19
11 / 19
12 / 19
13 / 19
14 / 19
15 / 19
16 / 19
17 / 19
18 / 19
19 / 19

最後まで読んでくれてありがとう!

続けて読む第2話「誰でもない」と名乗った男キュクロプス(ポリュペモス)第2話を読む

続きが出たらすぐ読めるよう、この作品のページをブックマークしておいてください: ギリシャ神話 オデュッセイアこの作品の RSS

新しい話の公開を SNS でお知らせしています。フォローしてください:ThreadsBluesky(英語)

この話のあらすじ

トロイア戦争に勝ったオデュッセウスは、十二隻の船団を率いて故郷イタケーへ向かいます。最初に風に運ばれて着いたのは、トラキアにあるキコネス族の町イスマロスでした。一行は町を攻め落として男たちを討ち、女たちと財宝を奪って、誰からも不満が出ないように分けます。 オデュッセウスはすぐに逃げようと命じますが、部下たちは聞きません。浜辺で酒を飲み、羊や牛をつぶして宴を続けます。そのあいだに逃げた者が、内陸に住むもっと大勢で強い仲間を呼び集めました。翌朝、春の木の葉や花のように数の多いキコネス族が攻めてきて、一日じゅう戦った末、夕方には押し負けます。

原典オデュッセイア — ギリシャ · 紀元前8世紀頃

RSS

この話のもとになった物語

オデュッセイア あらすじ|キコネス族とロートスの国をわかりやすく

ひとことで言うと: オデュッセイアの帰り道の最初の事件は、トロイア戦争に勝ったオデュッセウスの船団がキコネス族の町イスマロスを襲い、命令を聞かずに宴を続けた部下たちが反撃にあって大勢死ぬ話です。その後、嵐に流された一行はロートスを食べる人々の国に着き、甘い実を食べて帰る気をなくした仲間を、オデュッセウスが力ずくで船へ連れ戻します。ホメーロス『オデュッセイア』第9歌に書かれている物語です。

元の神話のあらすじ

トロイア戦争に勝ったオデュッセウスは、十二隻の船団を率いて故郷イタケーへ向かいます。最初に風に運ばれて着いたのは、トラキアにあるキコネス族の町イスマロスでした。一行は町を攻め落として男たちを討ち、女たちと財宝を奪って、誰からも不満が出ないように分けます。

オデュッセウスはすぐに逃げようと命じますが、部下たちは聞きません。浜辺で酒を飲み、羊や牛をつぶして宴を続けます。そのあいだに逃げた者が、内陸に住むもっと大勢で強い仲間を呼び集めました。翌朝、春の木の葉や花のように数の多いキコネス族が攻めてきて、一日じゅう戦った末、夕方には押し負けます。各船から六人ずつが死に、生き残った者は死んだ仲間一人ひとりの名を三度ずつ呼んでから船を出しました。

さらにゼウスが北風の大嵐を送り、帆は裂け、一行は二日二晩を陸で過ごします。もう少しで故郷というマレア岬で、波と潮と風に押されて流され、九日間さまよったあと、十日目にロートスを食べる人々の国に着きました。

偵察に出た三人(仲間二人と伝令一人)は、住人から蜜のように甘いロートスの実をもらって食べ、知らせに戻ることも、家に帰ることも望まなくなります。オデュッセウスは泣いて嫌がる三人を力ずくで船に連れ戻して腰掛けの下に縛りつけ、ほかの仲間が実を食べないうちに急いで出航しました。

原典はオデュッセウス自身の「思い出話」

実は、この話は物語の中で起きたその場面として書かれているのではありません。長い旅の末にパイアーケス人の国にたどり着いたオデュッセウスが、王アルキノオスの宮殿で自分の口から語る回想です。第9歌の初めから、彼の苦難の旅の話が順に語られていきます。

また、イスマロスではアポローンの神官マローンとその家族を、神への敬いから助けています。その礼として金や銀の器のほかに、水で二十倍に割っても甘い香りが立つほど強い葡萄酒を受け取りました。この酒は、次に出会う一つ目の巨人キュクロープスの話で大事な役目を果たします。

この神話が伝えていること(文化・時代の背景)

この場面には、指導者の判断と、それに従わない仲間という問題がはっきり描かれています。原典は宴を続けた部下たちを強い言葉で責めており、「やめどきを見誤ると取り返しがつかない」という教えとして読むことができます。

ロートスの国は、悪い人に襲われる話ではありません。住人には悪意がなく、ただ甘い実を分けてくれるだけです。それでも「帰りたい気持ち」を失うことが、帰国の旅では一番の危険になる。故郷へ帰ることを何より大切にする『オデュッセイア』らしい場面です。

なお、ロートスを麻薬のようなものとみる読み方や、この国を北アフリカの沿岸(ジェルバ島など)にあてる説もありますが、どちらも後の時代の推測で、原典には実の種類も場所も書かれていません。

漫画版で変えたところ

漫画では、オデュッセウスの回想という形をやめ、出来事を時間の順に並べて三人称で描いています。また、イタケーで夫を待つ妻ペーネロペーが機を織る場面を、話の初めと終わりに加えています。ペーネロペーは原典の別の歌には出てきますが、この第9歌には登場しない演出です。

宴を続けた部下や偵察の三人の顔ぶれ・台詞、マローンとの会話、ロートスの実の見た目、住人の暮らしぶり、戦いや嵐の細かな様子なども、原典に詳しい描写がないため漫画で想像して描いた部分です。いっぽう、命令を聞かずに宴を続けたこと、各船六人ずつの死、泣く仲間を力ずくで連れ戻したことといった話の骨組みは原典に沿っています。

漫画で読むには

Manga Portal の『オデュッセイア ―二十年目の帰還―』第1話では、「あと一晩だけ」と言う部下を止めきれなかったオデュッセウスの後悔と、泣いて嫌がる仲間を連れ戻すかどうかの重い選択を、絵で味わうことができます。全話無料で、会員登録もいりません。二十年におよぶ帰り道の始まりを、まずはこの第1話から読んでみてください。

この話の登場人物

オデュッセウス(おでゅっせうす)
イタケーの王で、十二隻の船団を率いてトロイアから帰る途中の主人公。知恵があり慎重だが、部下を止めきれずに仲間を失う。
仲間たち(なかまたち)
船団の乗組員。イスマロスで逃げろという命令を聞かずに宴を続け、キコネス族の反撃を招く。
偵察の三人(ていさつのさんにん)
ロートスの国を調べに送られた仲間二人と伝令一人。甘い実を食べて帰る気をなくし、泣きながら船へ連れ戻される。
マローン(まろーん)
イスマロスに住むアポローンの神官。命を助けられた礼に、オデュッセウスへとても強い葡萄酒を贈る。
キコネス族(きこねすぞく)
トラキアのイスマロスに住む人々。町を襲われたあと、内陸の仲間を集めて攻め返す。
ロートスを食べる人々(ろーとぱごい)
甘いロートスの実を食べて暮らす人々。悪意はなく、よそ者に実を分け与える。

よくある質問

オデュッセイアとはどんな話?

古代ギリシャの詩人ホメーロスの作とされる叙事詩で、トロイア戦争に勝った英雄オデュッセウスが、十年かけて故郷イタケーへ帰るまでの苦難を描いています。妻ペーネロペーや息子テーレマコスの話も含まれます。

ロートスの実を食べるとどうなる?

原典では、蜜のように甘いロートスを食べた者は、家に帰ることを忘れてその国にとどまりたくなると書かれています。植物の種類や薬のような働きは書かれておらず、麻薬にたとえるのは後の時代の読み方です。

キコネス族との戦いで何人死んだ?

原典では、各船から六人ずつの仲間が死んだと書かれています。船団は十二隻なので計算すると七十二人になりますが、この合計の数は原典には書かれていません。

オデュッセウスはなぜ仲間を縛りつけたの?

ロートスを食べて帰る気をなくした仲間を、その国に置いていかないためです。泣いて嫌がる三人を力ずくで船に戻し、腰掛けの下に縛りつけて出航しました。

この話は『オデュッセイア』の何歌に出てくる?

第9歌です。オデュッセウスがパイアーケス人の王アルキノオスの宮殿で、自分の旅を振り返って語る場面に出てきます。

漫画を最初から読む(無料)