武蔵坊弁慶(鬼若)とは
義経に生涯仕えた怪力の僧
西塔の武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)とは、源義経に最後まで仕えた大力の僧兵で、義経の家来の中でいちばん有名な人物です。『義経記』では、熊野の別当の子として、十八か月も母のお腹にいて、髪も歯も生えそろった姿で生まれたと語られ、幼名は鬼若でした。
比叡山を出て自ら弁慶と名乗り、書写山で騒動を起こしたあと、京で太刀を千本集めようとします。千本目をねらった笛吹きの若者・義経に打ち負かされて家来になりました。その後は知恵と力で主君を守り、如意の渡しでは疑いを晴らすために義経を扇で打ちます。衣川の戦いでは全身に矢を受けながら、薙刀を杖に立ったまま息絶えた「弁慶の立ち往生」で知られます。
よく知られる「五条大橋」での出会いは、のちの昔話や唱歌で広まった形で、『義経記』では五条の天神や清水寺で戦ったことになっています。
登場する話9
第2話
盗賊は、襲う相手を間違えた義経の元服(鏡の宿)
シリーズ第2話。北の大殿が源氏の若君を待っていると聞いたシャナオウは、16歳の春、だれにも告げずにクラマ山を出る。鏡の宿で盗賊の夜襲をただ一人で退け、宿の古い鏡に映る自分の稚児姿を見つめたあと、熱田の宮で、名前をくれる大人がいないまま自分で元服し「源九郎ヨシツネ」と名乗る。
19ページ第4話
生まれた日から、歯が生えそろっていた弁慶の誕生と書写山
シリーズ第4話(全19ページ)。歯が生えそろった姿で生まれ「鬼の子」と恐れられた少年は、比叡山を追われ、自分で「武蔵坊弁慶」と名乗る。書写山で笑いものにされた怒りが大火を招き、居場所を失った彼は、都を通る武者から太刀を千本奪うと誓う。
19ページ第5話
笛吹きの少年に、刀が届かない弁慶の千本の太刀(牛若丸との出会い)
太刀を九百九十九本集めた乱暴者の坊さんベンケイは、千本目を狙った夜、笛を吹く少年にひと太刀も届かない。次の夜、崖の上のお寺で再び挑んだ彼が、負けて見つけたものとは。
20ページ第6話
勝てば勝つほど、兄が遠くなる黄瀬川の対面と腰越状
兄・頼朝の挙兵を聞いて駆けつけた義経は、生まれて初めて会う兄と涙を分かち合う。だが平家を滅ぼすほど勝ち続けた弟を待っていたのは、兄のもとへ通じない閉ざされた道だった。
19ページ第7話
暗殺者が来た夜、英雄は眠っていた堀川夜討(静御前)
兄ヨリトモが送った刺客トサボウの嘘の誓いを、ヨシツネは兄を信じたくて受け入れてしまう。その夜、誰より早く異変に気づき、眠る彼を起こして鎧を着せ、闇に灯を掲げ、最後は火を放って援軍を呼んだのは、白拍子のシズカだった。
19ページ第8話
都を守るために、都を捨てた大物浦の嵐(義経の都落ち)
兄に命を狙われるヨシツネは、都を戦場にしないために西国へ落ちることを決め、大物の浦から船を出す。しかし激しい嵐で船団は散り、岸に押し戻されたのはわずかな者だけだった。すべてを失った一行は、ヨシノの山を目指す。
19ページ第9話
雪山に残った義経は、身代わりだった吉野山(静との別れと佐藤忠信)
雪の吉野山で、義経は僧兵の追手から静を守るため、彼女を都へ帰すと決める。だが静は信じた供に置き去りにされ、同じ山では佐藤忠信が主君の鎧と名をまとい、杉木立を味方に独りで敵の前に立つ。
19ページ第12話
打たなければ、主君が捕まる如意の渡し(弁慶、義経を打つ)
実の兄に追われた義経たちは、山伏に姿を変えて北へ向かう。如意の渡しで正体を疑われた主君を救うため、弁慶は人前で主君を扇で打つ。主君を打ったその手が、雪の山で生まれた小さな命に握られる。
19ページ第13話
殿のお経が終わるまで、ここは通さない衣川の戦い(弁慶の立ち往生)
シリーズ第13話・最終回。平泉でようやく安らぎを得た義経だったが、秀衡の死後、泰衡の大軍が衣川の館を襲う。主が経を読み終えるまで、弁慶はただ一人門の前に立ち続けた。
19ページ