西遊記 あらすじ
『西遊記』は、明の時代の中国でまとめられた長編小説です。三蔵法師が孫悟空・猪八戒・沙悟浄を連れて天竺(インド)へお経を取りに行く旅の話として知られていますが、物語のはじめの七回ほどは、孫悟空がどうやって生まれ、なぜ天界で大暴れしたのかを描いています。この漫画「斉天大聖伝」は、その前半を描く作品です。
東勝神洲・傲来国にある花果山のてっぺんで、仙石が割れて一匹の石猿が生まれます。石猿は滝の奥に水簾洞を見つけて猿たちの王「美猴王」になりますが、やがて「いつか死ぬ」ことを恐れて海を渡ります。須菩提祖師に弟子入りして「孫悟空」の名前をもらい、七十二の変化の術と觔斗雲を身につけました。
花果山に帰った悟空は、東海竜宮から如意棒を手に入れ、冥府の生死簿から自分と仲間の名前を消してしまいます。困った天界は悟空を役人として招きますが、与えられたのは一番下の馬係「弼馬温」。怒った悟空は「斉天大聖」を名乗り、討伐に来た哪吒たちを退けます。
その後、蟠桃園の番人を任された悟空は、仙桃を食べ、招かれなかった蟠桃会の酒やごちそう、太上老君の金丹まで平らげて花果山へ逃げ帰ります。十万の天兵に囲まれた悟空は、二郎真君と変化の術で化かし合いを繰り広げますが、ついに捕らえられてしまいます。
あらすじ一覧
第1話岩から生まれた猿が、泣いた日 ―孫悟空の誕生(花果山と水簾洞)―
漫画のあらすじシリーズ第1話。花果山の仙石から生まれた石猿が、滝の奥に水簾洞を見つけて美猴王となる。五百年の宴で、幼なじみの子猿が老いたことに気づいた王は、いつか来る死を恐れて涙し、仲間を終わりに渡さないため、ひとり小さないかだで海へ漕ぎ出す。
原典では『西遊記』は、中国の明の時代にまとめられた長い小説です。今残っている古い本のひとつに、1592年に南京(金陵)の世徳堂という本屋が出した版があります。全百回のうち、第一回の前半では、のちの孫悟空がどうやって生まれ、なぜ旅に出たのかが語られます。
第2話頭を3回叩かれた、本当の意味 ―孫悟空の弟子入り(スボダイ祖師)―
漫画のあらすじシリーズ第2話。仲間の死を見て〈終わり〉を恐れた猿の王は、海を渡って仙人スボダイ祖師に弟子入りし「ソン・ゴクウ」の名を授かる。頭を三度叩かれた謎を解いて死なない道を得るが、術を見せびらかして破門され、故郷を荒らす魔王に立ち向かう。
原典では『西遊記』は明の時代に広まった長い小説です。今に残る古い版のひとつに、1592年に南京の世徳堂から出た本があります。漫画の第2話は、その第1回の後半から第2回にあたります。
第3話死なない方法、ひとつだけある ―如意棒と生死簿―
漫画のあらすじ仲間を守れる武器を求めて東の海の竜宮へ乗り込んだゴクウは、海の底の鉄柱から思いのままに伸び縮みする如意棒を手に入れる。義兄弟と盃を交わしたその夜、魂を冥府へ連れていかれた彼は、死の帳簿から自分と仲間たちの名前を消してしまう。
原典では花果山で猿の王になった美猴王(孫悟空)は、猿たちに竹の槍や木の刀を持たせて、陣の組み方や武芸を練習させていました。けれども、人間の王や獣の王に攻められたら、木や竹の武器では戦えません。悟空がそう心配していると、四匹の年老いた猿が「となりの傲来国(ごうらいこく)の武器を手に入れては」と勧めます。
第4話天界に就職したら、一番下の馬係だった ―弼馬温と斉天大聖―
漫画のあらすじ天に招かれて馬番「ヒツバオン」となったゴクウは、寝ずに働いたあとで、その役目が位の外の一番下だと知る。怒って花果山へ帰り「斉天大聖」を名乗ったゴクウは、天の軍勢を退けてナタに初めてその名で呼ばれるが、天から与えられたのは大きな名前だけが付いた位だった。
原典では第3回で、孫悟空は龍宮と冥府で大暴れしました。天にその訴えが届くと、玉皇大帝(玉帝)は兵を送って悟空を捕らえようとします。けれども太白金星が別の方法をすすめました。「小さな役職を与えて天に置いておけばいい。言うことを聞けば出世させ、逆らえばそのとき捕らえればよい」。このように、暴れ者に役職を与えて味方に取り込むやり方を「招安(しょうあん)」といいます。
第5話招待されなかった宴を、全部食べた ―蟠桃会と金丹―
漫画のあらすじ天界の桃園の番人になった孫悟空は、仙桃をこっそり食べ続ける。ところが天界の宴に自分だけ呼ばれていないと知って大暴走し、宴のごちそうも老君の金丹も平らげて花果山へ逃げ帰る。下界ではすでに百十年がたっていて、天界は十万の天兵を差し向けてくる。
原典では「斉天大聖」という立派な称号をもらった孫悟空ですが、その位がどれほどのものか、給料がいくらかもまったく気にしません。天界の星の神や将軍たちと誰とでも兄弟のように付き合い、毎日あちこち遊び歩いていました。これを見た許旌陽真人(きょせいようしんじん)が「暇にさせておくと、いずれ騒ぎを起こします」と玉帝に申し出て、悟空は蟠桃園(ばんとうえん)の管理を任されます。園には三千六百本の桃の木がありました。熟すまで三千年・六千年・九千年かかる実で、…
第6話七十二の姿で、逃げきれるか ―二郎真君との変化合戦―
漫画のあらすじ天兵十万でも捕まらない孫悟空の前に、天いちばんの狩人・二郎が現れる。スズメにはタカ、魚には魚を獲る鳥――化けても化けても見破られる変化合戦の果てに、天の門から思いがけない一撃が落ちる。
原典では天宮で大暴れした孫悟空を捕らえるため、李天王たちは十万の天兵で花果山をすき間なく囲みます。それでも悟空は捕まりません。そこへ観音菩薩が蟠桃会(桃の宴)にやってきますが、会場は荒れて誰もいません。わけを聞いた観音は、弟子の恵岸(木叉)を様子見に送ります。恵岸は悟空と五、六十回打ち合ったすえ、腕がしびれて逃げ帰りました。そこで観音は、玉帝の甥で灌江口にいる二郎真君を呼ぶよう勧めます。