アーサー王伝説 あらすじ
アーサー王伝説とは、中世のブリテン(いまのイギリス)を舞台に、アーサー王と円卓の騎士たちの栄光と滅びを描いた物語の集まりです。この漫画は、15世紀にトマス・マロリーがまとめ、1485年に出版された『アーサー王の死』をもとにしています。
騎士エクターの家で、自分の生まれを知らずに育った少年アーサー。兄ケイの剣を取りに戻る途中、教会の墓地の石に刺さった剣を抜き、王になります。反乱を起こした王たちに勝ったあと、ペリノア王との一騎打ちで剣を折り、湖の乙女から聖剣エクスカリバーを授かります。けれども魔術師マーリンは、アーサーが知らずに父違いの姉モルゴースとのあいだにもうけた子モードレッドが、いつか国を滅ぼすと予言します。
続いて、呪いの剣を手放さなかった騎士ベイリンが「災いの一撃」で三つの国を荒れ地にしてしまう悲劇、王妃グウィネヴィアとの婚礼と円卓の誕生、若いガウェインの大失敗から生まれた騎士の誓いが描かれます。
その後、マーリンは恋した乙女ニミュエに封じられ、アーサーは姉モルガン・ル・フェイの罠で偽物の聖剣を持って戦わされます。そして最強の騎士ランスロットが、四人の女王の誘いや魔女の口づけを断り、王妃への思いをつらぬきます。
あらすじ一覧
第1話おつかいの途中で、運命を抜いた ―石に刺さった剣―
漫画のあらすじシリーズ第1話。兄の忘れた剣の代わりを探しに来た少年アーサーは、国じゅうの諸侯が抜けなかった石の剣をあっさり抜いてしまう。育ての父がひざまずいたとき、少年は家族の真実と、自分で王への一歩を選ぶ時に向き合うことになる。
原典ではイングランドの王ウーサー・ペンドラゴンは、敵対するティンタジェル公の妻イグレインに恋をします。魔術師マーリンは「生まれた子を自分に預けること」を条件に力を貸し、ウーサーは魔法で公の姿になってイグレインと一夜をすごしました。じつは公はその3時間以上前に戦死しており、ウーサーはのちにイグレインを妃にします。
第2話王の剣が、折れた日 ―湖の乙女とエクスカリバー―
漫画のあらすじシリーズ第2話。反乱した王たちに勝って自信をつけた少年王アーサーは、知らずに犯した過ちを告げられ、泉の騎士との一騎打ちで岩の剣を失う。湖の乙女から新しい剣を授かったアーサーに、マーリンは「剣と鞘、どちらが大事か」と問いかける。
原典ではアーサー王の伝説は、中世のヨーロッパで長い時間をかけて語り継がれ、多くの書き手が話を足してきた物語です。その中で、英語でひとつの大きな物語にまとめた代表作が、サー・トマス・マロリーの『アーサー王の死』です。1485年にウィリアム・カクストンが印刷して世に出しました。イングランドでばら戦争と呼ばれる内乱が続いていた時代のことです。
第3話最愛の人を殺す剣を、手放さなかった ―二本の剣の騎士ベイリン―
漫画のあらすじシリーズ第3話。牢を出たばかりの貧しい騎士ベイリンは、誰にも抜けなかった剣を抜き、「最も愛する者を殺す」という予言を聞いても手放さない。正しいと信じた一撃を重ねるたびに、王の許し、三つの国、そして最愛の弟を失っていく。
原典ではベイリンの物語は、15世紀のイギリスでトマス・マロリーがまとめた『アーサー王の死』(1485年にカクストンが出版)の第II巻に収められた話です。円卓の騎士たちのはなやかな冒険が始まる前、アーサー王がまだ若く、敵の王たちと争っていたころの出来事として語られます。
第4話騎士のルールは、大失敗から生まれた ―若きガウェインと円卓の誓い―
漫画のあらすじシリーズ第4話。婚礼の日に騎士となり、手柄を焦る若者ガウェインは、猟犬を殺された怒りで命乞いを拒み、かばいに入った貴婦人を死なせてしまう。逃げずにその恥を背負って都へ帰った彼の誓いが、円卓のすべての騎士の誓いになっていく。
原典ではこのお話は、15世紀のイギリスでトマス・マロリーがまとめ、1485年にウィリアム・カクストンが出版した『アーサー王の死』の第3巻にあります。家臣たちに妃を迎えるよう勧められたアーサー王は、カメリアードのレオデグランス王の娘グウィネヴィアを選びます。魔術師マーリンは「彼女はいずれランスロットと愛し合うことになる」とひそかに警告しますが、王の気持ちは変わりませんでした。
第5話未来が見える男は、それでも恋をした ―マーリンとニミュエ―
漫画のあらすじシリーズ第5話。恋した乙女に封じられたマーリンは、「剣と鞘は、いちばん信じる女に盗まれる」と言い残して去った。やさしい姉から届いた「聖剣」を手に、少年王アーサーは命がけの決闘に出る。だが相手が振るうのは、王自身の本物の聖剣だった。
原典ではこのお話のもとになっているのは、15世紀のイギリスでトマス・マロリーがまとめ、1485年にウィリアム・カクストンが出版した『アーサー王の死』です。第5話は、その第IV巻の第1章と第6〜15章をもとにしています。
第6話目覚めたら、四人の女王に囲まれていた ―湖のランスロット―
漫画のあらすじシリーズ第6話。並ぶ者のない騎士ランスロットは、四人の女王の誘い、名を伏せれば戦わずに済む決闘、魔女の「一度だけの口づけ」を、すべて断って切り抜ける。そんな彼がただ一人にだけ「はい」と答えた。
原典ではこの話は、15世紀のイギリスでトマス・マロリーがまとめた『アーサー王の死』(1485年にカクストンが出版)の第6巻「湖のランスロットの冒険」にあります。アーサー王がローマ遠征から戻ったあと、ランスロットは武芸で誰にも負けない、いちばん名高い騎士になりました。王妃グウィネヴィアは誰よりも彼を大切にし、ランスロットもほかのどの貴婦人よりも王妃を慕っていました。
第7話ののしられても、黙って勝ち続けた ―台所の騎士ボーマン―
漫画のあらすじシリーズ第7話。「きれいな手」とあざけられ、台所で1年こき使われた名もない若者ボーマン。案内の乙女にずっとののしられながら黒・緑・朱・藍の騎士を黙って倒し、昼には七人力になる最強の赤い騎士に挑む。
原典では「台所の騎士ボーマン」は、アーサー王伝説の中でも人気のある「オークニーのガレス卿の物語」のことです。もとになっているのは、15世紀のイギリスでトマス・マロリーが書き、1485年にウィリアム・カクストンが印刷して出版した『アーサー王の死(Le Morte d'Arthur)』です。カクストン版では第7巻の第1〜35章が、まるごとこの物語にあてられています。