太田牛一(太田又助)とは
『信長公記』を書いた家臣
太田牛一(おおた ぎゅういち)
太田牛一(おおた ぎゅういち)とは、織田信長に仕えた武士で、信長の一代記『信長公記』の著者です。弓の腕で知られた家臣で、信長の死後は豊臣秀吉らに仕えました。年老いてからも、見聞きしたことを書き残し続けた記録の人です。
この漫画では語り手をつとめます。年老いた牛一が筆を取り、弓衆として働いていた若いころに見た信長の姿を思い出す形で、物語が進みます。町で笑われる若殿は本当にただのうつけだったのか。その問いを読者に投げかけながら、葬式、聖徳寺の会見、稲生、桶狭間へと話をつないでいきます。
牛一は自分の書き物について、あることを省かず、ないことを書き足していないと書き添えました。もちろん間違いが全くないわけではありませんが、『信長公記』は信長を知るための大切な史料とされています。
登場する話5
第1話
父の葬式で、お香を投げつけた男大うつけ・信長の抹香投げ
町じゅうが「大うつけ」と笑う若殿。その若殿が誰も見ていない夜明けに鍛えている姿を、若い弓衆の牛一だけが見てしまう。父の葬儀で若殿は仏前に抹香を投げつけ、守役の平手は腹を切る。第1話、記録係が最初に書き留めたものとは。
19ページ第2話
うつけ婿を覗いたら、槍が五百本聖徳寺の会見
噂の「たわけ」の婿を、町外れの小屋の隙間から覗いて笑ってやろうとした老将・道三。だが婿の後ろには五百本の朱い槍が続き、寺では誰も見たことのない正装の若殿が待っていた。
19ページ第3話
弟を許すのは、一度だけ稲生の戦い
自分を認めてくれた妻の父・道三を失い、ひとりになった若き当主・信長。その隙に、母に愛された礼儀正しい弟が家臣に担がれて兄に背く。信長は一度は弟を許すが、二度目は許さなかった。
19ページ第4話
敵は四万五千、出陣はたった六騎桶狭間の戦い
四万五千の今川軍が国境の砦を呑んでいく夜、信長は家老たちに作戦を何も語らず「帰れ」とだけ言った。夜明け、敦盛を舞い、立ったまま飯をかき込み、わずか六騎で城を飛び出す。
19ページ第5話
大軍に勝った殿が、山に勝てない稲葉山城の戦い
四万五千の大軍を破った信長が、山の上の城ひとつに何年も届かず「帰るぞ」を繰り返す。敵の味方を一人ずつ減らした末、人質の到着を待たずに動いた男の速さに、味方さえ肝をつぶす。
19ページ