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小泉八雲 怪談 あらすじ

「怪談傑作集 ―百物語の夜―」は、明治時代に日本へ渡って日本名を名のった作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、日本の古い言い伝えや本の話を英語で書き直した怪談を、漫画で一席ずつ読める作品です。原典はおもに『怪談(Kwaidan)』(1904年)で、「茶碗の中」は『骨董』(1902年)からとっています。

第1話「耳なし芳一」は、盲目の琵琶法師・芳一が壇ノ浦で滅んだ平家の亡霊に呼ばれ、全身にお経を書いて身を守るのに、耳だけを書き忘れたために両耳を奪われる話です。第2話「雪女」では、吹雪の夜に命を見逃された木こりの巳之吉が、のちに妻のお雪との約束を破ってしまいます。

第3話「むじな」は、夜の紀伊国坂で顔のない娘と蕎麦屋に出会う、のっぺらぼうの話。第4話「ろくろ首」では、もと武士の僧・回龍が首の抜ける化け物の一家と戦います。第5話「茶碗の中」は、茶碗に映った知らない顔を飲み干した若党・関内の、結末のないふしぎな話です。

第6話「青柳」は、若侍の友忠と柳の精・青柳の恋と別れを描きます。こわいだけでなく、悲しさや可笑しさ、人の情けも味わえる日本の怪談の名作を、百物語の夜の語りにのせて一話ずつ届けます。

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あらすじ一覧

  1. 第1話名前を呼ばれても、返事をするな ―耳なし芳一―

    漫画のあらすじ怪談傑作集・第一席。毎晩「高貴なお方」に呼ばれて琵琶を語る盲目の名人・芳一。泣いて聴いてくれる客の正体は、海に沈んだ一族の死者たちだった。全身にお経を書かれた夜、名を呼ばれても答えてはならない。

    原典では七百年あまり前、下関の壇ノ浦で源氏と平家の最後の戦いがあり、平家は幼い安徳天皇とともに海に沈んで滅びました。その後も海には亡霊や鬼火が出たため、赤間関(今の下関)に阿弥陀寺が建てられ、天皇と平家の人々の墓が置かれました。この寺に住んでいたのが、目の見えない琵琶法師の芳一です。平家物語を語る名人で、とくに壇ノ浦の場面は「鬼神をも泣かせる」と言われていました。

  2. 第2話十年守った秘密を、話してしまった夜 ―雪女―

    漫画のあらすじ怪談傑作集・第2話。吹雪の夜、白い着物の女に命を見逃され「誰にも話すな」と約束させられた若い木こり。十数年後、やさしい妻と十人の子に囲まれた幸せの中で、彼はいちばん話してはいけない相手に、あの夜のことを話してしまう。

    原典では武蔵の国のある村に、年老いた木こりの茂作と、18歳の弟子・巳之吉が住んでいました。ある冬の夕方、森からの帰り道で二人はひどい吹雪にあいます。渡し舟は向こう岸に置かれたままで川を渡れません。しかたなく、窓も火もない渡し守の小さな小屋に泊まることにしました。

  3. 第3話振り向いた娘には、顔がなかった ―のっぺらぼう(むじな)―

    漫画のあらすじ怪談傑作集・第3話。夜ふけの暗い坂で、お堀のふちで泣く娘を見捨てられなかった年寄りの商人。顔のない娘から逃げ、やっとたどり着いた屋台の明かりで、背を向けた店主に一部始終を打ち明けると――。

    原典では舞台は東京・赤坂の紀伊国坂です。道の片側には深くて広い古いお堀と高い緑の土手、反対側には宮殿の長く高い塀が続いています。街灯も人力車もなかったころ、このあたりは日が暮れるととても寂しく、夜に歩く人は遠回りをしてでもこの坂を避けました。そこには、人を化かす「むじな」が出ると言われていたからです。

  4. 第4話逃げずに、首のない体を隠した僧 ―ろくろ首―

    漫画のあらすじ怪談傑作集・第4話。山で親切な一家に泊めてもらった、もとは荒武者の旅の坊さん。真夜中、眠る家族の体に首がないと気づいた彼は、逃げるかわりに、ひとつの体をそっと隠した。

    原典では今からおよそ500年前、九州の菊池家に仕えていた磯貝平太左衛門武連という強い武士がいました。主家がほろびたあと、彼はお坊さんになって回龍と名乗り、諸国を旅します。危ない場所もこわがらない、度胸のある僧でした。

  5. 第5話飲み干した顔が、訪ねてくる ―茶碗の中―

    漫画のあらすじ怪談傑作集・第5話。正月の茶屋で、茶碗のお茶に知らない若侍の顔が映った。短気な若い侍は「人の茶に勝手に入るな」とその顔ごと飲み干すが、その夜から、ていねいすぎる「お返し」の予告が届きはじめる――そしてこの話には、結末がない。

    原典では時は天和三年(1683年ごろ)の正月四日。中川佐渡守という武士が年始の挨拶に向かう途中、江戸の本郷・白山にある茶屋で家来たちと一休みします。

  6. 第6話妻が言った「明日は、いられません」 ―青柳―

    漫画のあらすじ怪談傑作集・第6話。吹雪の山の小屋で、若い侍は和歌に和歌で返す娘と出会い、決まりを破って妻にした。大名の屋敷に引き離されても一編の詩で取り戻した五年の幸せは、ある朝の「明日は、いられません」で終わる。

    原典では「青柳のはなし」は、小泉八雲が1904年にアメリカで出した本『怪談(Kwaidan)』に入っている話です。『怪談』といえば「耳なし芳一」や「雪女」が有名ですが、この話には人を怖がらせる幽霊は出てきません。人と木の精の恋を描いた、静かで悲しい物語です。

  7. 第7話十七年後、宿でお茶を運んできた娘 ―お貞の話―

    漫画のあらすじ怪談傑作集・第7話。十五で死にゆくいいなずけは「もう一度生まれて、きっと戻ってきます」と約束した。十七年後、ひとりきりで旅に出た男に、山の湯の宿で、知らない娘がお茶を運んでくる。

    原典では昔、新潟の町に、医者の息子の長尾長生という若者がいました。長生には、父の友人の娘・お貞という、幼いころから決められたいいなずけがいました。長生が医者になる勉強を終えたら、二人は結婚するはずでした。