老女(亡霊の女官)とは
平家の亡霊に仕える女官
老女(亡霊の女官)(ろうじょ)
老女(ろうじょ)とは、「耳なし芳一のはなし」に登場する、身分の高い人に仕える年配の女官で、その正体は平家の亡霊です。「老女」は昔、武家や貴族の家で奥向きを取りしきった女性の役目の名前です。
屋敷に連れてこられた芳一を迎えたのが老女でした。老女は壇ノ浦の段を語るよう求め、芳一の語りに一同が声をあげて泣いたあと、「これから毎夜ここへ来て語るように。このことは誰にも話してはならない」と言いわたします。
芳一が語りを聞かせていた「殿」と大勢の人々は、壇ノ浦で幼い安徳天皇とともに海に沈んだ平家の一門だったと考えられています。老女の言葉は、芳一を夜ごと墓地へ通わせる、この話の大切なきっかけになっています。
登場する話3
第1話
名前を呼ばれても、返事をするな耳なし芳一
怪談傑作集・第一席。毎晩「高貴なお方」に呼ばれて琵琶を語る盲目の名人・芳一。泣いて聴いてくれる客の正体は、海に沈んだ一族の死者たちだった。全身にお経を書かれた夜、名を呼ばれても答えてはならない。
19ページ第4話
逃げずに、首のない体を隠した僧ろくろ首
怪談傑作集・第4話。山で親切な一家に泊めてもらった、もとは荒武者の旅の坊さん。真夜中、眠る家族の体に首がないと気づいた彼は、逃げるかわりに、ひとつの体をそっと隠した。
20ページ第6話
妻が言った「明日は、いられません」青柳
怪談傑作集・第6話。吹雪の山の小屋で、若い侍は和歌に和歌で返す娘と出会い、決まりを破って妻にした。大名の屋敷に引き離されても一編の詩で取り戻した五年の幸せは、ある朝の「明日は、いられません」で終わる。
20ページ