平敦盛(無官大夫)とは
笛を愛した十七歳の公達
平敦盛(たいらのあつもり)
平敦盛(たいらのあつもり)とは、清盛の弟・経盛の子で、一ノ谷の戦いで十七歳で討たれた平家の若い公達です。笛の名手で、名笛「小枝(さえだ)」を腰に差していました。
平家物語の「敦盛最期」では、敗れて海の船へ逃げようとしたところを、源氏方の熊谷直実に「敵に後ろを見せるのか」とよび止められ、引き返して組み伏せられます。兜を取ると、熊谷の息子と同じくらいの年の、化粧をした美しい少年でした。敦盛は名乗らずに「首を取って人に聞け」と言い、熊谷は泣く泣くその首を取ります。前の晩に城の中から聞こえていた笛の音は、この少年が吹いていたものでした。
敦盛の物語は、能の「敦盛」や幸若舞の「敦盛」になりました。織田信長が好んで舞ったと伝わる「人間五十年」の一節は、幸若舞の「敦盛」に出てくるものです。