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第3話旅先で優しすぎる人に気をつけろ東海道中膝栗毛(箱根・三島)

箱根の急坂と関所をやっと越えた弥次さんは、自慢話に感心してくれる親切な道連れにすっかり心を許す。三島の宿で夜中にすっぽんのいたずらをして大騒ぎした翌朝、旅の金がそっくり消えていた。

19ページ全話無料・会員登録なし

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次回予告 · 制作中第4話 第4話 故郷で金策、鞠子のとろろ汁

江戸時代のグルメ旅、名物を食べようとしたら夫婦喧嘩に巻き込まれた

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この話のあらすじ

江戸の神田八丁堀に住む弥次郎兵衛と、その家にいそうろうしている喜多八は、厄落としのためにお伊勢参りを思い立ち、東海道を西へ歩いて旅に出ます。小田原の宿では、五右衛門風呂の入り方がわからず、下駄をはいたまま入って釜の底を踏み抜いてしまう、という騒ぎを起こしました。 小田原を出ると、東海道でもいちばんの難所といわれた箱根の山道です。二人は急な坂に苦しみながら、茶屋に寄ったり、狂歌(こっけいな短歌)を詠んだりして山を越えていきます。 箱根を下って三島へ向かう途中、二人は親しげに話しかけてくる旅の男と知り合い、いっしょに歩くことになります。三島の宿では、この男も同じ宿に泊まりました。

原典東海道中膝栗毛 ―弥次さん喜多さん珍道中― — 日本 · 享和2年〜文化11年(1802〜1814年)

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この話のもとになった物語

東海道中膝栗毛 あらすじ|弥次さん喜多さん、箱根越えと三島の護摩の灰

ひとことで言うと: 『東海道中膝栗毛』の箱根・三島の場面は、伊勢参りに向かう弥次郎兵衛と喜多八が、けわしい箱根の山を越えたあと、親切そうな旅の男と道連れになる話です。三島の宿ですっぽんの騒ぎが起きた夜、その男に旅の金を盗まれ、二人は一文無しになります。男の正体は、旅人をねらう盗人「護摩の灰」でした。十返舎一九の滑稽本(初編 1802年刊・二編 1803年刊)に書かれた話です。

元の物語のあらすじ(箱根越えから三島の宿まで)

江戸の神田八丁堀に住む弥次郎兵衛と、その家にいそうろうしている喜多八は、厄落としのためにお伊勢参りを思い立ち、東海道を西へ歩いて旅に出ます。小田原の宿では、五右衛門風呂の入り方がわからず、下駄をはいたまま入って釜の底を踏み抜いてしまう、という騒ぎを起こしました。

小田原を出ると、東海道でもいちばんの難所といわれた箱根の山道です。二人は急な坂に苦しみながら、茶屋に寄ったり、狂歌(こっけいな短歌)を詠んだりして山を越えていきます。

箱根を下って三島へ向かう途中、二人は親しげに話しかけてくる旅の男と知り合い、いっしょに歩くことになります。三島の宿では、この男も同じ宿に泊まりました。その夜、道中で手に入れたすっぽんを使った悪ふざけから、すっぽんが寝床で人の指にかみつき、宿じゅうが大騒ぎになります。

ところが朝になると、男の姿はなく、弥次郎兵衛の旅の金もそっくり消えていました。男は旅人のふりをして近づく盗人「護摩の灰」だったのです。青くなった二人は、一文無しのまま旅を続けることになります。

主な登場人物

弥次郎兵衛(弥次さん)は、お調子者で見えっぱり。すぐに狂歌を詠み、人をからかう悪ふざけも好きですが、自分もよく失敗します。喜多八(喜多さん)は弥次さんより若く、軽はずみで食いしんぼう。二人はおたがいをだまし合うような悪ふざけを何度もくり返します。

なお、二人の生い立ち(弥次さんが駿河の商家の生まれで、喜多さんがもと旅役者だったことなど)は、のちの1814年に出た「発端」で書き足されたものです。

この話の背景(江戸時代の旅と「護摩の灰」)

江戸時代の中ごろから、ふつうの町人や農民のあいだでも、お伊勢参りなどの旅が大流行しました。東海道には宿場町が並び、箱根には関所がありました。箱根の山道は「箱根八里」と歌われるほどけわしく、旅人にとって大きな関門でした。

旅人が増えると、それをねらう悪者も現れます。「護摩の灰」は、旅人のふりをして近づき、金や荷物を盗む者のことです。弘法大師の護摩の灰だといって、ただの灰を売りつけた者がいたことから、この名がついたといわれています。

『東海道中膝栗毛』は、こうした旅のようすを、地口(ごろ合わせ)や駄じゃれ、狂歌をまじえて笑いにした滑稽本で、大ベストセラーになりました。三島の場面は、「旅先で調子よく近づいてくる人には用心」という、当時の旅の教訓としても読めます。

漫画版で変えたところ・足したところ

漫画では、護摩の灰が弥次さんの自慢話に感心してみせ、すっかり気を許させるように描いています。男の見た目や話し方、荷物を持ってくれるなどの「親切ぶり」は、漫画で作ったものです。箱根の山道のけわしさ、関所の緊張感、富士山の見え方などの風景も、自由にふくらませています。

原典には宿の女性をめぐる場面もありますが、漫画では「夜中にこっそり部屋を抜け出す」ていどにやわらげました。すっぽんに誰がかまれたかなど細かいところは、原典を確かめながら描いています。盗まれた金額は具体的に書かず、「旅の金を全部」としています。

また、原典の狂歌はそのまま訳さず、海外の読者にも笑ってもらえるよう、言葉遊びや短い決めゼリフに置きかえています。宿の女中などの脇役や、一文無しに気づいたときの顔芸、次の話へのつなぎも漫画のオリジナルです。

漫画で読むには

Manga Portal の「東海道中膝栗毛 ―弥次さん喜多さん珍道中―」は、全話無料・会員登録なしで読めます。第3話では、箱根の急坂で息を切らす弥次さんの姿から、三島の夜のすっぽん騒ぎ、そして朝の真っ青な顔まで、テンポよく楽しめます。

二百年以上前の旅人も、いまの私たちと同じように調子に乗って失敗していました。古典を読むのは少しむずかしそう、と感じている人も、まずは漫画で弥次さん喜多さんの珍道中をのぞいてみてください。

この話の登場人物

弥次郎兵衛(やじろべえ)
「弥次さん」。江戸神田八丁堀に住むお調子者で、三島の宿で道連れの男に旅の金を盗まれてしまう。
喜多八(きたはち)
「喜多さん」。弥次さんの若い相棒で、軽はずみで食いしんぼう。弥次さんと悪ふざけをし合いながら旅をする。
道連れの旅の男(ごまのはい)
箱根を下ったあたりで親しげに近づいてきた男。正体は旅人をねらう盗人「護摩の灰」。
三島の宿の人びと(みしまのやどのひとびと)
宿の亭主や女中たち。夜のすっぽん騒ぎや、朝の大騒ぎに居合わせる。

よくある質問

東海道中膝栗毛はどんな話?

江戸に住む弥次郎兵衛と喜多八が、お伊勢参りのために東海道を旅しながら、各地で失敗や悪ふざけをくり返す笑いの物語です。十返舎一九が書き、初編は1802年に出ました。

「護摩の灰」とは何?

江戸時代に、旅人のふりをして近づき、金や荷物を盗んだ泥棒のことです。弘法大師の護摩の灰だと偽って、ただの灰を売りつけた者がいたことから、この名がついたといわれています。

弥次さん喜多さんは三島で何をされた?

箱根を越えたあとに道連れになった親切そうな男と同じ宿に泊まり、夜のすっぽん騒ぎのあと、その男に旅の金を盗まれました。二人は一文無しで旅を続けることになります。

「膝栗毛」とはどういう意味?

「栗毛」は馬の毛色のことで、「膝栗毛」は自分の膝を馬の代わりにする、つまり歩いて旅をするという意味です。

漫画版は原作と同じ?

大きな流れ(箱根越え、親切な道連れ、三島の宿で金を盗まれる)は原典どおりです。護摩の灰の人柄や風景、狂歌の言葉遊び、宿の脇役などは、読みやすく楽しくするために漫画で作ったり変えたりしています。

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