日本語言語を選ぶ

第8話そのお祓い、キノコが増えてます茸(くさびら)

シリーズ第8話。家に生えた巨大キノコに困った男が、評判の山伏にお祓いを頼みます。ところが祈るほど増えて「効いている証拠じゃ」――引っこみのつかない専門家を、キノコの行列が無言で追いかける狂言「茸(くさびら)」です。

19ページ全話無料・会員登録なし

ほかの言語で読む:English简体中文繁體中文한국어EspañolFrançais

1 / 19
2 / 19
3 / 19
4 / 19
5 / 19
6 / 19
7 / 19
8 / 19
9 / 19
10 / 19
11 / 19
12 / 19
13 / 19
14 / 19
15 / 19
16 / 19
17 / 19
18 / 19
19 / 19

最後まで読んでくれてありがとう!

次回予告 · 制作中第9話 素袍落 ―酔って落とした晴れ着―

「一杯だけ」が止まらない。もらったばかりの晴れ着を酔って落とした家来、拾ったのはまさかの…。

この作品はここまで。次はこちらもどうぞ

続きが出たらすぐ読めるよう、この作品のページをブックマークしておいてください: 狂言この作品の RSS

新しい話の公開を SNS でお知らせしています。フォローしてください:ThreadsBluesky(英語)

この話のあらすじ

「茸」は、能と同じ舞台で演じられてきた喜劇「狂言」の演目のひとつです。題名は「きのこ」ではなく「くさびら」と読みます。くさびらは、キノコを指す古い言葉です。 主役(シテ)は山伏で、相手役(アド)は屋敷の主である男です。そこに、複数の役者が演じる茸の群れが加わります。山伏が笑いの中心になる狂言は「山伏狂言」と呼ばれ、この曲もそのひとつです。

原典狂言傑作集 ―笑いの六百年― — 日本 · 室町時代〜江戸時代(『狂言記』1660年刊)

RSS

この話のもとになった物語

狂言「茸(くさびら)」のあらすじ|祈るほどキノコが増える山伏の話

ひとことで言うと: 狂言「茸(くさびら)」は、屋敷に生えた大きな茸を祈り退けようとした山伏が、祈るほど茸を増やしてしまい、最後は茸の群れに追われて逃げ出す物語です。大蔵流・和泉流の狂言に伝わる演目で、力を誇る者の権威が、物言わぬ茸の前で崩れていくおかしさを描いています。

狂言「茸(くさびら)」とは

「茸」は、能と同じ舞台で演じられてきた喜劇「狂言」の演目のひとつです。題名は「きのこ」ではなく「くさびら」と読みます。くさびらは、キノコを指す古い言葉です。

主役(シテ)は山伏で、相手役(アド)は屋敷の主である男です。そこに、複数の役者が演じる茸の群れが加わります。山伏が笑いの中心になる狂言は「山伏狂言」と呼ばれ、この曲もそのひとつです。

原典のあらすじ

ある男の屋敷に、人の背丈ほどもある大きな茸が生えました。取っても取っても、次の日にはまた生えてきます。気味が悪くなった男は、山伏のもとを訪ね、茸を祈り退けてほしいと頼みます。

山伏は修行で得た力を誇りながら引き受け、もったいぶって屋敷へやって来ます。そして数珠を揉んで祈り始めますが、茸は減るどころか増えていきます。一本また一本と現れては動き回り、男と山伏にまとわりつきます。

山伏はなおも強がって祈り直しますが、効き目はなく、事態は悪くなるばかりです。ついには傘を広げた大きな鬼茸が現れて脅しかかり、山伏はたまらず逃げ出します。茸の群れに追われるところで、この話は終わります。

流派や台本によって違うところ

狂言は流派や台本によって細部が異なり、「茸」も例外ではありません。たとえば、終盤に現れて山伏を脅かすのが鬼茸か姫茸か、といった点には違いがあります。女性の姿をした姫茸が山伏にからむ型もあるとされますが、すべての台本にある役ではないと見られます。

男の動きにも違いがあり、山伏と一緒に逃げる場合と、先に逃げる場合があります。舞台を見るときは、その日の演じ方を見比べるのも楽しみのひとつです。

この狂言の笑いと時代の背景

山伏は、山にこもって修行を積む修験者です。祈りの力を持つ人として頼られる存在だからこそ、失敗したときの落差が笑いになります。この曲でも、山伏は自信たっぷりに登場し、祈れば祈るほど立場を失っていきます。

相手の茸には名前も性格づけもほとんどなく、言葉で言い負かすことも、ごまかすこともできません。ただ増え、ただ迫ってくるだけです。だからこそ、肩書きや自信がはがれていく様子が際立ちます。「引っこみがつかなくなった専門家」の話として読むと、今の私たちにも思い当たるところがあるかもしれません。

漫画版で変えたところ

漫画は原典の流れをもとにしながら、物語を広げています。いちばん大きな違いは、第7話「柿山伏」の山伏と同じ人物として描き、柿の件に懲りず再び失敗する続編にしたことです。この連作の形は漫画の脚色で、原典にはありません。

「効いている証拠じゃ」といった具体的な台詞や掛け合い、二人の性格の肉付け、名前や口癖も漫画で足したものです。茸一本一本の表情や身ぶり、形の違い、増えていくギャグの積み重ね、追いかけっこの広げ方も創作にあたります。屋敷や庭の細かな様子、後日談や次の話へつなぐ場面も、原典にはない補足です。

漫画で読むには

増えていく茸の不気味さとおかしさは、絵で見ると一段とよく伝わります。漫画『狂言 ―笑いの六百年―』第8話は、Manga Portal で全話無料、会員登録なしで読めます。第7話「柿山伏」から続けて読むと、懲りない山伏の姿をより楽しめます。

この話の登場人物

山伏(やまぶし)
この曲の主役で、修行と法力を誇る修験者。固有の名前は持たず、数珠を揉んで祈るものの茸を増やしてしまい、最後は追われて逃げ出します。
男(おとこ)
相手役である屋敷の主。取っても生えてくる茸に困って山伏に祈祷を頼み、増える茸の騒ぎに巻き込まれます。
茸(くさびら)
複数の役者が演じる茸の群れ。傘のような姿で現れ、祈るほどに増えて動き回り、男と山伏にまとわりつきます。
鬼茸
終盤に現れる、傘を広げた大きな茸。恐ろしげに山伏を脅かして追い立てますが、登場の型は流派や演出によって異なります。
姫茸
一部の型に現れるとされる女性の姿の茸で、山伏にからみます。すべての台本にある役ではないと見られます。

よくある質問

狂言「茸」の読み方は?

「くさびら」と読みます。くさびらはキノコを指す古い言葉です。

狂言「茸」はどんな話?

屋敷に生えて困る大きな茸を、山伏が祈りで退けようとする話です。ところが祈るほど茸は増え、山伏は茸の群れに追われて逃げ出します。

狂言「茸」の結末は?

傘を広げた大きな鬼茸などに脅かされ、祈りを続けられなくなった山伏が逃げ出します。茸の群れに追われて終わりますが、細部は流派や台本によって異なります。

茸はなぜ生えてくるの?

原典では、茸が生える理由は説明されていないと見られます。理由がわからないまま増えていく不気味さも、この曲のおかしさにつながっています。

「柿山伏」と「茸」はつながった話?

原典では別々の演目で、続きものではありません。同じ山伏の続編として描いているのは、漫画『狂言 ―笑いの六百年―』の脚色です。

漫画を最初から読む(無料)