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第3話身長2m・牙4本の忍者を呼べ風魔小太郎

武田の大軍を前に夜明けまでに打つ手を迫られた若き大将・氏直は、家臣たちが「盗人」と見下す風魔を本陣に呼ぶ。闇から現れたのは、身の丈2m超え・牙四本・声は5km先まで届くという男だった。

19ページ全話無料・会員登録なし

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次回予告 · 制作中第4話 黄瀬川の夜討ち

「刀を一度も交えずに大軍を崩す。風魔の夜討ちは“恐怖”を武器にした」

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この話のあらすじ

『北条五代記』によると、北条氏直の時代、北条家は「乱波」と呼ばれる者を二百人かかえて、給料(扶持)を与えていました。乱波は盗賊でありながら、知恵と計略にすぐれた者たちだと説明されています。二百人を率いていたのが「風魔」という頭目で、全体は山賊・海賊・強盗・窃盗の四つの組に分かれていました。 天正九年(1581年)ごろ、氏直は伊豆と駿河の境にある黄瀬川(きせがわ)で、甲斐の武田勝頼と川をはさんで向き合います。このとき風魔の乱波は、毎晩のように武田の陣へ忍び込みました。

原典忍者列伝 ―風魔・伊賀・甲賀の影― — 日本 · 北条五代記(1641年)・万川集海(1676年)・立川文庫『猿飛佐助』(1914年)

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この話のもとになった物語

風魔小太郎とは?北条五代記のあらすじと黄瀬川の夜討ち

ひとことで言うと: 風魔小太郎は、相模の北条家に仕えた乱波(らっぱ)二百人の頭目で、身の丈七尺二寸(約2.2m)、牙が四本外に出た大男として描かれる人物です。北条氏直が黄瀬川で武田勝頼と向き合ったとき、風魔の乱波は毎晩武田の陣に忍び込んで陣を混乱させました。この話は三浦浄心の『北条五代記』に書かれています。

元の話のあらすじ

『北条五代記』によると、北条氏直の時代、北条家は「乱波」と呼ばれる者を二百人かかえて、給料(扶持)を与えていました。乱波は盗賊でありながら、知恵と計略にすぐれた者たちだと説明されています。二百人を率いていたのが「風魔」という頭目で、全体は山賊・海賊・強盗・窃盗の四つの組に分かれていました。

天正九年(1581年)ごろ、氏直は伊豆と駿河の境にある黄瀬川(きせがわ)で、甲斐の武田勝頼と川をはさんで向き合います。このとき風魔の乱波は、毎晩のように武田の陣へ忍び込みました。人を生け捕りにし、馬の綱を切って逃がし、火をつけて回ったため、武田勢は大混乱におちいり、暗やみの中で味方どうしが斬り合うほどだったといいます。

夜討ちから戻るとき、乱波は合図で一斉に立ったり座ったりして、まぎれ込んだ敵を見分けたという話も伝わっています(「立ちすぐり・居すぐり」)。作者の三浦浄心は、乱波の知恵に感心した言葉で章を結んでいる、と読まれています。

風魔の姿 ―身長2m・牙4本の大男

この章でいちばん有名なのが、風魔の見た目の描写です。身の丈は七尺二寸で、今の単位にすると約2.2メートル。手足は筋肉と骨がたくましく、あちこちにこぶがあります。目は逆さに裂け、黒いひげをたくわえ、口は両わきまで裂けて牙が四本外にのぞいていました。頭の形は七福神の福禄寿に似て長く、鼻が高かったとされます。

声も特別で、大声を出すと五十町(約5.5キロ)先まで届き、小声にするとかすれて濁ったといいます。人間ばなれした姿は、敵をおそれさせる存在として語られたことを感じさせます。

この話が伝えていること(時代の背景)

戦国時代の関東では、北条・武田・上杉などの大名が領地をめぐって争っていました。大きな軍勢どうしの戦いだけでなく、夜にひそかに忍び込んで敵を乱す者たちも、戦の大事な戦力だったことがこの話からわかります。乱波は、のちに「忍者」と呼ばれるようになる人々と重なる存在だと考えられています。

なお、頭目の名前は原典では主に「風魔」と書かれ、「風魔小太郎」という呼び方は後の時代に広まった通説だという見方もあります。また、北条家が滅んだあと、風魔の残党が江戸の近くで盗賊になり捕らえられたという後日談も伝わっていますが、これは同じ書物の別の章や後世の伝承として語られるものです。

漫画版で変えたところ

原典には、氏直が風魔を本陣に呼び出して直接会う場面はありません。漫画の第3話では、家臣たちが「盗人」と見下す風魔を、若い大将の氏直があえて呼ぶという場面を新しく作り、次の話への入り口にしています。

また、原典は四つの組の名前を挙げるだけですが、漫画では各組が得意技を見せる場面や、乱波一人ひとりの名前・顔・性格、風魔の話し方や氏直とのかけ合いを足しています。作戦の細かい手順も漫画の創作ですが、原典にある「夜討ち・生け捕り・馬を放つ・火をつける」という枠は守っています。身長や牙、五十町先まで届く声は、原典の描写をそのまま絵にしています。

漫画で読むには

文章だけでは想像しにくい「身長2m・牙4本」の風魔が、夜の闇から現れる場面は、漫画ならではの迫力です。『忍者列伝 ―風魔・伊賀・甲賀の影―』は、Manga Portalで全話無料、会員登録なしで読めます。原典の話を知ったうえで読むと、どこが史料どおりで、どこが漫画の工夫なのかも楽しめます。

この話の登場人物

風魔(ふうま)/風魔小太郎(ふうまこたろう)
北条家に仕える乱波二百人の頭目で、身の丈七尺二寸・牙四本・五十町先まで届く声を持つ大男。
北条氏直(ほうじょううじなお)
相模の北条家の当主で、乱波二百人をかかえ、黄瀬川で武田勝頼と向き合った大将。
武田勝頼(たけだかつより)
甲斐の武田家の当主で、黄瀬川の陣で風魔の夜討ちを受ける敵方の大将。
乱波二百人(らっぱ)
山賊・海賊・強盗・窃盗の四組に分かれた、盗賊ながら知恵と計略にすぐれた風魔の配下。

よくある質問

風魔小太郎とはどんな人物?

戦国時代、相模の北条家に仕えた乱波(忍びの者)二百人の頭目です。『北条五代記』では、身の丈約2.2m、牙が四本外に出た大男として描かれています。

風魔小太郎は実在したの?

『北条五代記』に「風魔」という頭目が出てくるため、北条家に乱波の集団がいたことは書物に残っています。ただし姿の描写には誇張もあると考えられ、「小太郎」という名前は後世に広まった呼び方だという説もあります。

黄瀬川の夜討ちとは?

天正九年ごろ、北条氏直と武田勝頼が黄瀬川をはさんで向き合ったときの出来事です。風魔の乱波が毎晩武田の陣に忍び込み、人を生け捕り、馬を放ち、火をつけて、武田勢を同士討ちさせるほど混乱させたと伝えられます。

乱波(らっぱ)とは何?

盗賊でありながら知恵と計略にすぐれ、大名に雇われて夜討ちや敵陣のかく乱をした者たちです。のちに「忍者」と呼ばれる人々に近い存在と考えられています。

『北条五代記』とはどんな本?

江戸時代のはじめに三浦浄心が書いた、関東の北条家五代にまつわる話を集めた書物です。慶長の末ごろにまとめられ、寛永年間に出版されました。

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