アン・エリオット(Anne Elliot)とは
八年越しの恋を抱える主人公
アン・エリオット(あん・えりおっと)
アン・エリオット(あん・えりおっと)とは、ジェイン・オースティンの小説『説得』の主人公で、準男爵サー・ウォルター・エリオットの次女です。27歳で、賢く優しく分別もあるのに、父と姉からは意見を聞いてもらえず、家の中で軽く扱われています。
19歳のとき、海軍士官フレデリック・ウェントワースと婚約しましたが、母代わりのレディ・ラッセルに「彼のためにもならない」と説得され、婚約を解きました。それから8年、彼を想い続けています。物語では、父が館を貸すことになり、妹メアリーの住むアッパークロスへ。そこで出世したウェントワースと再会しますが、彼の冷たい態度や「別人のよう」という言葉に傷つきながらも、静かに自分の気持ちと向き合います。
22歳ごろにはチャールズ・マスグローヴからの求婚も断っており、心の中にはずっとウェントワースがいたことがわかります。目立たないけれど、周りの人の話を聞き、困った人を助ける場面が多いのもアンの魅力です。
登場する話5
第1話
鏡に映らないで、と言われた娘説得
借金で傾く館で、家族の誰にも話を聞いてもらえない次女アン。見栄っ張りの父と姉が「馬も召使いも減らせない」と言い張るなか、館を貸してバースへ移ることが決まる。夕暮れ、扉の向こうから聞こえた「海軍」の一言に、アンの目が一瞬だけ揺れる。
19ページ第2話
別れた恋人の姉が、うちに住む説得(ジェイン・オースティン)
館の借り手を「海軍の提督」に決めていく笑いだらけの相談の席で、27歳のアンは、7年あまり前に自分から手放した人の名を、誰より先に口にしてしまう。林の小道へ出たアンは19歳の夏を思い出し、「彼の姉が住む家」を、ひとり黙って受け入れる。
19ページ第3話
元恋人の名が、毎晩ほめられる家説得(ジェイン・オースティン)
家族に「残っても誰も困らない」と置いていかれたアンは、3マイル先の妹の家で、皆の愚痴の聞き役として頼られるようになる。だがその家では、8年前に別れた人の名前が、毎晩ほめ言葉として飛び交い始める。
19ページ第4話
振った人の感想は「まるで別人」説得(ジェイン・オースティン)
甥のけがを看病するために一晩だけ会わずにすんだアンは、翌朝、8年前に自分から婚約を断った人と不意に顔を合わせる。お辞儀をひとつ交わしただけの数分のあと、妹が何気なく伝えた「変わりすぎて、会っても分からなかっただろう」という一言が胸に刺さる。
19ページ第5話
生け垣ごしに聞いた、元婚約者の本音説得(ジェイン・オースティン)
8年前、まわりに説得されて婚約を断った人と、子ども部屋で二人きりになってしまったアン。数日後の散歩で、生け垣の向こうから聞こえてきたのは、「人に言われて心を変える人」を責める、あの人の声だった。
19ページ