サー・ウォルター・エリオット(Sir Walter Elliot)とは
見栄っ張りな準男爵の父
サー・ウォルター・エリオット(さー・うぉるたー・えりおっと)
サー・ウォルター・エリオット(さー・うぉるたー・えりおっと)とは、アンの父で、サマセットのケリンチ館の主である準男爵です。自分の見た目と家柄が何よりの自慢で、愛読書は自分の家が載っている準男爵名鑑だけ、という人物です。
ぜいたくな暮らしで借金がふくらんでも、馬や召使いを減らすような節約は受け入れません。弁護士シェパード氏に上手に話を運ばれ、館を人に貸してバースで暮らすことを決めます。借り手が海軍の提督だと聞くと、海軍は「生まれの低い者が出世し、顔も日焼けで台なしになる」と見下しますが、結局は館を任せます。
オースティンは彼を、見栄と体面ばかり気にする人物としてユーモラスに描いています。娘のアンの良さに気づかない父の姿が、アンの孤独を際立たせています。
登場する話3
第1話
鏡に映らないで、と言われた娘説得
借金で傾く館で、家族の誰にも話を聞いてもらえない次女アン。見栄っ張りの父と姉が「馬も召使いも減らせない」と言い張るなか、館を貸してバースへ移ることが決まる。夕暮れ、扉の向こうから聞こえた「海軍」の一言に、アンの目が一瞬だけ揺れる。
19ページ第2話
別れた恋人の姉が、うちに住む説得(ジェイン・オースティン)
館の借り手を「海軍の提督」に決めていく笑いだらけの相談の席で、27歳のアンは、7年あまり前に自分から手放した人の名を、誰より先に口にしてしまう。林の小道へ出たアンは19歳の夏を思い出し、「彼の姉が住む家」を、ひとり黙って受け入れる。
19ページ第3話
元恋人の名が、毎晩ほめられる家説得(ジェイン・オースティン)
家族に「残っても誰も困らない」と置いていかれたアンは、3マイル先の妹の家で、皆の愚痴の聞き役として頼られるようになる。だがその家では、8年前に別れた人の名前が、毎晩ほめ言葉として飛び交い始める。
19ページ