日本語言語を選ぶ

第3話元恋人の名が、毎晩ほめられる家説得(ジェイン・オースティン)

家族に「残っても誰も困らない」と置いていかれたアンは、3マイル先の妹の家で、皆の愚痴の聞き役として頼られるようになる。だがその家では、8年前に別れた人の名前が、毎晩ほめ言葉として飛び交い始める。

19ページ全話無料・会員登録なし

ひとことで言うと: ジェイン・オースティン『説得』の第1巻第5〜6章は、家族に置いていかれたアン・エリオットが妹メアリーの嫁ぎ先アッパークロスに移り、みんなの愚痴の聞き役になる場面です。その家では、8年前にアンが婚約を解消した相手、ウェントワース大佐の名前が、亡くなった息子の恩人としてほめられ始めます。

ほかの言語で読む:English

1 / 19
2 / 19
3 / 19
4 / 19
5 / 19
6 / 19
7 / 19
8 / 19
9 / 19
10 / 19
11 / 19
12 / 19
13 / 19
14 / 19
15 / 19
16 / 19
17 / 19
18 / 19
19 / 19

最後まで読んでくれてありがとう!

次回予告 · 制作中第4話 八年ぶりの会釈 ―再会―

8年ぶりに会った元婚約者の感想は「誰だか分からなかった」だった。

この作品はここまで。次はこちらもどうぞ

この話のあらすじ

お金に困った准男爵サー・ウォルター・エリオットは、先祖代々のケリンチ館を人に貸すことにします。借りに来たのは海軍のクロフト提督夫妻です。提督は飾らない、感じのよい人だったので、見た目と身分にうるさいサー・ウォルターも満足し、話はすぐにまとまりました。サー・ウォルターと長女エリザベスは、街のバースへ移ることになります。 エリザベスがバースへの話し相手に選んだのは、妹のアンではなく、未亡人のミセス・クレイでした。アンは、父がこの女性と再婚するのではと心配し、姉にそれとなく注意します。しかしエリザベスはまったく相手にしません。

原典説得 ―八年越しの恋― — イングランド · 1815〜1816年に執筆、1817年12月刊(扉の年は1818)。摂政時代(リージェンシー)のイングランド、ナポレオン戦争の終結(1814年)後の数年間が舞台

RSS

この話のもとになった神話

説得(オースティン)第5〜6章あらすじ|アンとウェントワース大佐の噂

『説得』第5〜6章のあらすじ

お金に困った准男爵サー・ウォルター・エリオットは、先祖代々のケリンチ館を人に貸すことにします。借りに来たのは海軍のクロフト提督夫妻です。提督は飾らない、感じのよい人だったので、見た目と身分にうるさいサー・ウォルターも満足し、話はすぐにまとまりました。サー・ウォルターと長女エリザベスは、街のバースへ移ることになります。

エリザベスがバースへの話し相手に選んだのは、妹のアンではなく、未亡人のミセス・クレイでした。アンは、父がこの女性と再婚するのではと心配し、姉にそれとなく注意します。しかしエリザベスはまったく相手にしません。いっぽう、「体の具合が悪い」という妹メアリーに呼ばれ、アンは3マイル(約5キロ)離れたアッパークロス村の小さな家へ移ります。

ソファで不調を嘆いていたメアリーは、アンと話すうちに元気になります。やがてアンは、メアリーからは夫や義母の不満を、義母からはメアリーの子育ての不満を、義妹ルイーザからは席順にこだわるメアリーの不満を、夫チャールズからは「妻の病気は気のせいだ」という本音を、それぞれこっそり聞かされるようになります。皆がアンに打ち明けるのです。また、ケリンチ館の大事件に村の人がほとんど関心を持たないのを見て、アンは「自分の世界を一歩出れば、自分は大した存在ではない」と知ります。

やがてクロフト夫妻があいさつに来て、提督は帰りぎわに「妻の弟がまもなくこちらに来ます」と言います。その晩、マスグローヴ家では、亡くなった息子ディックがかつてウェントワース大佐の艦に乗っていて、手紙で大佐をほめていたことが思い出されます。以来、家では毎晩大佐の話になり、アンはその名前を聞くことに慣れようと心に決めます。

この回の背景:8年前の別れ

アンは27歳。8年前、若い海軍士官フレデリック・ウェントワースと婚約しましたが、母の親友で後見役のレディ・ラッセルに「財産も将来の保証もない相手は危ない」と説得され、婚約を解消しました。作品名の『説得』はこの出来事から来ています。アンは今も彼を忘れていません。

だからこそ、彼の姉夫婦が自分の家に住み、本人までやって来るかもしれないという知らせは、アンにとって大きな出来事です。この回のウェントワースは姿を見せず、噂の中だけに登場します。

この物語が伝えていること(時代の背景)

物語の舞台は1814年ごろのイギリスです。ナポレオンとの戦争がいったん終わり、多くの海軍軍人が陸に戻ってきました。海軍では手柄を立てればお金を得て出世できたため、家柄ではなく自分の力でのし上がる人々がいました。生まれた身分だけを誇り、浪費で館を手放す准男爵と、館を借りる側の海軍提督という組み合わせには、古い身分社会と、新しく力をつけた人々との入れかわりが映っていると読まれることが多いです。

また、女性が自分の意見を通しにくい時代に、家族から軽く扱われながらも、人の話を静かに聞き、誰からも信頼されるアンの姿は、この作品の大きな魅力です。

漫画版で変えたところ・足したところ

原典では、アンが皆の不満を聞かされる場面は、語り手が短くまとめて説明しています。漫画では、メアリーと義母、メアリーとルイーザのように、同じ出来事を左右から言い合うコマを並べ、台詞にしてテンポよく見せています。不満を打ち明ける場所(庭や居間、散歩道など)や話す順番も、漫画の演出です。

アンの心の声の言い回し、ディックの手紙の見せ方、ピアノを弾く場面、バースへの出発から馬車で移るまでのつなぎ方も漫画での工夫です。ただし内容の中身は原典に沿わせています。人物の顔立ちや衣装、部屋の様子は、原典に細かい記述が少ないため、当時のイギリスの地方地主の家を参考に描いています。

漫画で読むには

文字で読むと静かに進む場面も、漫画ではアンの困った表情や、家族それぞれの言い分が一目でわかります。「元恋人の名前を、何も知らない人たちが毎晩ほめる」というじれったさを、ぜひ絵で味わってみてください。Manga Portal の『説得 ―八年越しの恋―』は全話無料、会員登録なしで読めます。

この話の登場人物

アン・エリオット
主人公の27歳。控えめで思慮深く、家族には軽く扱われるが、聞き役として皆に頼られる。
ウェントワース大佐(フレデリック)
アンの元婚約者の海軍軍人。この回は噂だけで登場し、ミセス・クロフトの弟にあたる。
メアリー・マスグローヴ
アンの妹。体の不調をよく訴え、身分や席順にこだわる。
チャールズ・マスグローヴ
メアリーの夫で狩り好きの気のいい人。昔アンに求婚して断られている。
クロフト提督夫妻
ケリンチ館の借り手。率直で気さくな海の男と、日に焼けたきびきびした妻。
サー・ウォルター・エリオット
アンの父の准男爵。見栄っ張りで浪費家のため、館を貸してバースへ移る。

よくある質問

『説得』はどんな話?

ジェイン・オースティンの最後の完成した長編で、作者の死後の1817年に刊行されました。周りに説得されて婚約を解消したアンが、8年後に元婚約者のウェントワース大佐と再会する恋の物語です。

タイトルの「説得」とは何のこと?

19歳のアンが、後見役のレディ・ラッセルに説得されて、ウェントワースとの婚約を解消したことを指します。人に説得されることの良し悪しが、物語全体を通じて問われます。

アンはなぜアッパークロスへ行ったの?

父と姉がバースへ移るとき、姉はアンを連れて行かず、ミセス・クレイを選びました。ちょうど妹メアリーが体調不良を理由にアンを呼んだので、アンは役に立てるならと妹の家へ移りました。

ディック・マスグローヴとは誰?

マスグローヴ家の亡くなった息子で、手に負えない子として海軍へ出され、若くして外地で亡くなりました。一時ウェントワース大佐の艦に乗っており、手紙で大佐をほめていたことから、家族が大佐に会いたがるようになります。

漫画を最初から読む(無料)