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第4話振った人の感想は「まるで別人」説得(ジェイン・オースティン)

甥のけがを看病するために一晩だけ会わずにすんだアンは、翌朝、8年前に自分から婚約を断った人と不意に顔を合わせる。お辞儀をひとつ交わしただけの数分のあと、妹が何気なく伝えた「変わりすぎて、会っても分からなかっただろう」という一言が胸に刺さる。

19ページ全話無料・会員登録なし

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次回予告 · 制作中第5話 榛の実と馬車 ―聞こえてしまった言葉―

生け垣の向こうで、元婚約者が別の女性に言った。「人に説得されて考えを変える人は嫌いだ」――それ、私のことですよね。

この作品はここまで。次はこちらもどうぞ

この話のあらすじ

ウェントワース大佐が、姉夫婦のクロフト家が借りているケリンチの屋敷にやって来ます。マスグローヴ家は彼を夕食に招きますが、その直前、アンの甥の小さなチャールズが転んで鎖骨を外し、背中も痛めてしまいます。アンは落ち着いて手当てを取り仕切り、薬剤師が呼ばれます。 子どもが落ち着くと、父親のチャールズは夕食に出かけると言い、妹のメアリーも「自分だけ残るのは嫌」とついて行きます。アンは自分から看病に残ると申し出て、この夜は彼に会わずにすみました。 翌朝、狩りに行くチャールズを誘いに、大佐がマスグローヴ家の姉妹と一緒にコテージへ立ち寄ります。

原典説得 ―八年越しの恋― — イングランド · 1815〜1816年に執筆、1817年12月刊(扉の年は1818)。摂政時代(リージェンシー)のイングランド、ナポレオン戦争の終結(1814年)後の数年間が舞台

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この話のもとになった神話

説得 第7〜8章あらすじ|アンとウェントワース大佐の再会

ひとことで言うと: 『説得』第7〜8章は、8年前に婚約を断ったアン・エリオットが、海軍大佐として成功したウェントワースとほんの数分だけ再会し、「変わりすぎて分からなかっただろう」という彼の言葉を妹から聞かされて傷つく場面です。その後も二人は同じ集まりに何度も出ますが、彼の態度は丁寧なのに他人より遠いままです。ジェイン・オースティンの小説『説得(Persuasion)』(1817年刊)の第1巻にあたる部分です。

原典のあらすじ(第7章):数分だけの再会

ウェントワース大佐が、姉夫婦のクロフト家が借りているケリンチの屋敷にやって来ます。マスグローヴ家は彼を夕食に招きますが、その直前、アンの甥の小さなチャールズが転んで鎖骨を外し、背中も痛めてしまいます。アンは落ち着いて手当てを取り仕切り、薬剤師が呼ばれます。

子どもが落ち着くと、父親のチャールズは夕食に出かけると言い、妹のメアリーも「自分だけ残るのは嫌」とついて行きます。アンは自分から看病に残ると申し出て、この夜は彼に会わずにすみました。

翌朝、狩りに行くチャールズを誘いに、大佐がマスグローヴ家の姉妹と一緒にコテージへ立ち寄ります。目が半分だけ合い、会釈とお辞儀を交わしただけで、数分後には部屋は空っぽになりました。アンは「終わった」とほっとし、8年もたてば気持ちは変わるはずだと自分に言い聞かせます。けれども、心に残り続けた思いにとって、8年という時間はほとんど意味がないと気づいてしまうのです。

「まるで別人」という一言

そこへメアリーが、帰り際に大佐が姉妹に話したことを伝えます。アンはあまりに変わっていて、会っても分からなかっただろう、と。原作ではこの言葉は彼のセリフとしてではなく、人づてに伝わる形で書かれています。メアリーに悪気はありませんが、アンは深く傷つきます。一方で、はっきり言われたことで、かえって気持ちが少し静まるところもありました。

語り手は大佐の心の中も明かします。彼はアンを許しておらず、周りの意見に負けた彼女の気の弱さを恨んでいました。そして本気で結婚相手を探していて、「心が強く、物腰のやさしい人」がいいと話します。

第8章:同じ部屋にいるのに遠い二人

この日から二人は何度も同じ集まりに出るようになります。マスグローヴ家の夕食では、大佐が姉妹にせがまれて、最初の船や出世した船の話を楽しそうに語ります。亡くなった息子を思い出して悲しむマスグローヴ夫人には、隣に座って優しく話を聞きました。

女性を船に乗せるのは反対だと言う大佐に、姉のクロフト夫人は、女性をか弱い貴婦人ではなく、考える力のある人間として扱ってほしいと言い返します。夜の踊りの場では、アンはずっとピアノで伴奏をしています。大佐がアンの席に座っていたとき、戻ってきたアンに「あなたの席です」と冷たいほど丁寧に譲り、座り直すよう言われても断ります。礼儀正しいのに、他人よりも遠い。その距離がこの章の痛みです。

8年前に何があったのか(時代の背景)

物語より前の1806年、19歳のアンは若い海軍士官ウェントワースと婚約しました。しかし彼にはまだ財産も地位もなく、母親代わりのレディ・ラッセルに説得されて、アンは婚約を取りやめます。題名の「説得」はこの出来事から来ています。

当時のイギリスはナポレオンとの戦争の時代で、海軍の士官は手柄を立てたり敵の船を捕まえて賞金を得たりすることで、生まれに関係なく出世できました。ウェントワースが大佐になり財産を作ったのはそのためです。家柄を重んじる古い上流の家と、実力でのし上がった海軍の人々との違いも、この作品の大切なテーマになっています。

漫画版で変えたところ・足したところ

原作の再会の場面は、目が半分合って会釈をした、とだけ書かれています。漫画では、目線や手袋、窓から差す光、時間が止まったような間などを描き足して、その数秒をふくらませました。また、8年前のアンと今のアンを重ねる一コマを入れていますが、この回想の場面は原作にはなく、表情や服、場所は漫画のオリジナルです。

コテージの部屋のつくりや朝食の様子、秋の光、夕食の席の並び方、ピアノの曲目、アンの心の声の言い回しも漫画での創作です。一方で、けがをした甥をアンが落ち着いて看病すること、大佐の言葉がメアリーを通して伝わること、アンが踊らずに伴奏に回ることは原作どおりにしています。

漫画で読むには

Manga Portal の『説得 ―八年越しの恋―』第4話では、この再会の数分と、胸に刺さる一言までを描いています。文字だけでは一瞬で過ぎてしまう視線やお辞儀の重さを、絵で味わえるのが漫画版のよさです。全話無料で、会員登録もいりません。続きの話で二人の距離がどう変わっていくのか、ぜひ漫画で追いかけてみてください。

この話の登場人物

アン・エリオット(あん・えりおっと)
27歳の主人公。思慮深く控えめで、8年前に周りの説得に従って婚約を取りやめたが、今も彼を想っている。
フレデリック・ウェントワース大佐(ふれでりっく・うぇんとわーす)
アンのかつての婚約者。海軍で出世して財産を作り、アンを許せないまま結婚相手を探している。
メアリー・マスグローヴ(めありー・ますぐろーゔ)
アンの妹。自分本位なところがあり、大佐の言葉を悪気なくそのままアンに伝えてしまう。
チャールズ・マスグローヴ(ちゃーるず・ますぐろーゔ)
メアリーの夫で、人のよい狩り好き。翌朝、大佐と狩りに出かける約束をする。
ヘンリエッタとルイーザ(へんりえった・るいーざ)
チャールズの明るい妹たち。大佐に夢中で、海の話をせがむ。
クロフト夫人(くろふとふじん)
大佐の姉で、夫の提督と何度も航海してきた人。女性を船に乗せることについて弟に言い返す。

よくある質問

『説得』はどんな話?

ジェイン・オースティンが1817年に出した最後の長編小説です。周りに説得されて恋人との婚約を断ったアン・エリオットが、8年後、海軍大佐として成功した彼と再会する物語です。

ウェントワース大佐はアンに何と言ったの?

アンに直接言ったのではなく、帰り際にマスグローヴ家の姉妹に、彼女はあまりに変わっていて会っても分からなかっただろう、と話しました。それを妹のメアリーがアンに伝えます。

アンはなぜ婚約を断ったの?

当時のウェントワースにはまだ財産も地位もなく、名付け親のレディ・ラッセルに、先の見えない結婚はやめるよう説得されたからです。アンは彼のためにもなると考えて従いました。

題名の「説得」とはどういう意味?

アンが周りの説得を受け入れて婚約を取りやめたことから来ています。人の意見に従うことは正しかったのか、という問いが物語全体に流れています。

再会の場面は第何章?

原作の第1巻第7章です。続く第8章で、二人が何度も同じ集まりに出ながら、他人のように距離を置く様子が描かれます。

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