八五郎(八っつぁん)とは
長屋のそそっかしい人気者
八五郎(はちごろう)
八五郎(はちごろう)とは、古典落語に何度も登場する長屋暮らしの町人で、「八っつぁん」の愛称で親しまれています。おっちょこちょいで早合点だけれど、どこか憎めない江戸っ子の代表のような人物です。決まった一人というより、多くの噺で使われるおなじみの役の名前です。
「粗忽長屋」では、浅草の観音様にお参りに来て行き倒れを見つけ、それを同じ長屋の熊五郎だと思い込みます。「今朝も会った」と言いながら「あいつはそそっかしいから死んだのに気づいていない」と言い張り、本人を連れてくる騒ぎを起こします。「蒟蒻問答」では、江戸で行きづまって蒟蒻屋の六兵衛を頼り、お経も読めないまま空き寺のにわか和尚になります。「まんじゅうこわい」では、仲間をまとめて強がり男をこらしめようとする役で登場します。
登場する話3
第1話
怖いものなしの男、弱点はまんじゅうまんじゅうこわい
シリーズ第1話。「怖いものなんかねえ」と強がるマツ公が、仲間に詰め寄られて「実はまんじゅうが怖い」と青ざめる。懲らしめようと仲間が積んだまんじゅうの山を、マツ公は「怖い怖い」と叫びながら平らげてしまい――。
19ページ第2話
自分の死体を引き取りに行った男粗忽長屋
落語傑作集の第2話。早とちりのハチは、行き倒れを隣に住む親友のクマだと思い込む。「今朝会ったんだろう」という正論も勢いではねのけ、本人を連れてきて「自分の死体」を引き取らせるが、泣きながら抱き上げたクマは最後に答えの出ない問いにぶつかってしまう。
19ページ第5話
こんにゃく屋、身ぶりだけで僧に勝つ蒟蒻問答
落語傑作集の第5話。にわか和尚のハチの身代わりで問答の席に座った、こんにゃく屋の親方ロクベエ。ひと言もしゃべらず身ぶりだけで旅の僧をひれ伏させるが、本人はずっと「こんにゃくの値段の掛け合い」をしているつもりだった。
19ページ