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第1話怖いものなしの男、弱点はまんじゅうまんじゅうこわい

シリーズ第1話。「怖いものなんかねえ」と強がるマツ公が、仲間に詰め寄られて「実はまんじゅうが怖い」と青ざめる。懲らしめようと仲間が積んだまんじゅうの山を、マツ公は「怖い怖い」と叫びながら平らげてしまい――。

19ページ全話無料・会員登録なし

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続けて読む第2話自分の死体を引き取りに行った男粗忽長屋第2話を読む

この話のあらすじ

「まんじゅうこわい」は、江戸の町を舞台にした短い古典落語です。古い題名は『饅頭ぎらひ(まんじゅうぎらい)』といいます。 町内の若い者たちが集まって、ひまつぶしに「自分の怖いもの・嫌いなもの」を言い合います。蛇だ、蜘蛛だと次々に打ち明けるなか、一人だけ「怖いものなんかない」と強がる男がいます。みんなに問い詰められた男は、しぶしぶ「実は饅頭が怖い」と言い、思い出しただけで気分が悪いと隣の部屋で寝込んでしまいます。 ふだん生意気なこの男を困らせてやろうと、仲間たちはお金を出し合って饅頭をたくさん買い集め、寝ている男の枕元に置きます。

原典落語傑作集 — 日本 · 噺は江戸時代〜明治の伝承。筋の根拠にする速記本は1890〜1925年の刊行

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この話のもとになった神話

まんじゅうこわい あらすじとオチの意味|古典落語を漫画で

「まんじゅうこわい」のあらすじ

「まんじゅうこわい」は、江戸の町を舞台にした短い古典落語です。古い題名は『饅頭ぎらひ(まんじゅうぎらい)』といいます。

町内の若い者たちが集まって、ひまつぶしに「自分の怖いもの・嫌いなもの」を言い合います。蛇だ、蜘蛛だと次々に打ち明けるなか、一人だけ「怖いものなんかない」と強がる男がいます。みんなに問い詰められた男は、しぶしぶ「実は饅頭が怖い」と言い、思い出しただけで気分が悪いと隣の部屋で寝込んでしまいます。

ふだん生意気なこの男を困らせてやろうと、仲間たちはお金を出し合って饅頭をたくさん買い集め、寝ている男の枕元に置きます。ところが、そっとのぞいてみると、男は「怖い、怖い」と言いながら饅頭をおいしそうに次々と食べてしまうのです。だまされたと気づいた仲間が「本当に怖いものは何だ」と聞くと、男は最後にひと言――。このひと言が噺の「オチ」です(後の見出しで解説します)。

なお、落語は演じる人によって細かな筋や言い回しが変わります。仲間の人数や、それぞれの怖いものの中身も、演者によって違います。

落語とは? 一人で全員を演じる日本の話芸

落語は、一人の噺家(はなしか)が座布団に座ったまま、扇子と手ぬぐいだけを使って、登場人物全員を声やしぐさで演じ分ける日本の話芸です。扇子は箸や筆に、手ぬぐいは本や財布などに見立てます。江戸時代から寄席(よせ)という演芸場で数百年にわたって語り継がれてきました。「まんじゅうこわい」は短くて分かりやすいので、落語の入門としてもよく知られた噺です。中国の古い笑い話の本に似た話があり、それがもとになったという説もあります。

漫画版で変えたところ・足したところ

Manga Portal の漫画版は、明治・大正期の速記本(噺を文字に書き起こした本。原典としたのは三代目蝶花楼馬楽の口演『饅頭ぎらひ』)をもとに筋を確かめ、台本は私たちが一から書いたものです。

漫画の冒頭で高座に上がり、結びで手ぬぐいを饅頭に見立てて食べるしぐさをする噺家・笑門亭福来(しょうもんてい ふくらい)は、このシリーズのために作った架空の語り手です。実在の噺家ではありません。

ほかにも、仲間たちが怖いものを言い合う場面を大げさな想像のコマで見せたこと、饅頭を食べる場面の顔芸やふすまのすき間からのぞく構図、長屋や着物の絵、細かなギャグや台詞は漫画オリジナルです。主人公の名前「マツ公」も、演者によって呼び名が変わる人物に漫画版で付けたものです。

オチ(サゲ)の解説:「濃いお茶が一杯怖い」はなぜおかしい?

落語の最後の決めのひと言を「オチ」または「サゲ」といいます。この噺のオチとしてよく知られているのは、「本当は何が怖いんだ」と聞かれた男の「ここらで濃いお茶が一杯怖い」という答えです。

ここで知っておきたいのは、日本では甘い和菓子を食べたあとに、渋い緑茶を飲みたくなるという習慣があることです。饅頭は、小麦粉などの皮であんこ(甘く煮た豆)を包んだ和菓子で、中国の肉まんとは別のものです。饅頭をたくさん食べたら、口の中が甘くなって、お茶が欲しくなりますね。

男は「怖い」と言えば仲間がわざわざ持ってきてくれると分かったので、今度は本当に欲しいお茶を「怖い」と言ってねだったのです。饅頭でだましただけでなく、もう一回だまそうとする「二段目のずるさ」が笑いどころです。

漫画で読むには

文章で筋を知っていても、「怖い、怖い」と言いながら饅頭をほおばる顔は、絵で見るとまた格別です。Manga Portal の『落語傑作集 ―笑いの十二席―』は全話無料、会員登録なしで読めます。第1話「まんじゅうこわい」を読んだら、ほかの十一席の古典落語もあわせて楽しんでみてください。

この話の登場人物

マツ公(まつこう)
「怖いものなんかない」と強がったあと「饅頭が怖い」とうそをつき、仲間に饅頭を買わせて食べてしまう主人公(名前は漫画版の呼び名で、演者によって変わる)。
町内の若い衆(わかいしゅう)
怖いものを打ち明け合い、強がる男をこらしめようとして、逆にまんまとだまされる仲間たち。
笑門亭福来(しょうもんてい ふくらい)
漫画の冒頭と結びに登場して噺を語る、このシリーズ独自の架空の噺家で、原典には出てこない。

よくある質問

「まんじゅうこわい」はどんな話?

怖いものなどないと強がる男が「饅頭が怖い」とうそをつき、こらしめようとした仲間に饅頭を山ほど買わせて食べてしまう古典落語です。最後に「濃いお茶が一杯怖い」と言って笑わせます。

「まんじゅうこわい」のオチの意味は?

日本では甘い饅頭を食べたあとに濃い緑茶が欲しくなります。男は「怖い」と言えば持ってきてもらえると分かったので、本当に欲しいお茶を「怖い」と言ってねだった、というずるさがおかしいのです。

「まんじゅうこわい」の元の題名は?

古くは『饅頭ぎらひ(まんじゅうぎらい)』という題名で演じられていました。中国の古い笑い話がもとになったという説もあります。

落語とは何ですか?

一人の噺家が座ったまま、扇子と手ぬぐいだけで登場人物全員を演じ分ける日本の話芸です。江戸時代から寄席で数百年語り継がれています。

漫画版の噺家・笑門亭福来は実在する人?

いいえ、このシリーズのために作った架空の語り手です。冒頭のまくらや結びのしぐさも漫画版の創作です。

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